STVは実際の試験で使われた学生の解答用紙を関係者から入手しました。三幸学園 鳥居
(青柳記者)「こちらは試験の解答用紙です。ある問の記述の1行目は『学習指導要領は』そして2行目は『一定の水準の教育が』と続きます。めくって別の学生の解答用紙ですが、1行目も2行目も同じ書き出しが続いています」
自由記述の問題ですが、一字一句同じ言葉が
模範解答を書き写すだけで満点をとることができます。
一般的にはあり得ないはずの試験の方式ですが、女性が違和感を持ったのは卒業してからだったといいます。
(現役の幼稚園教諭)「どういうテストだったか(他の学校の卒業生に)聞いたら割と違う部分があって、札幌こども専門学校は簡単だったんだなという風に思いました。なんか持ち込めるからそんな家に帰って勉強しようというのは私自身はあんまりなくて。ちゃんと書いてるかな、持ち込めるやつちゃんと書いてるかなっていう確認だけで、テスト勉強っていうテスト勉強はしてなかったです」
学びが不十分な学生が教育現場に送られている実態…。
専門学校の元教員の男性は、免許制度の根幹を揺るがすとしてこの問題を告発しました。
しかし、学校側は5月、男性を懲戒解雇したのです。
(提訴した男性)「正しいことを告発して解雇になるのはおかしい。おかしいことはおかしいと声をあげる権利が誰にでもある」
解雇は無効だとして、男性は運営元の学校法人を7月末に提訴し、賃金の支払いなどを求めています。
また、文部科学省は「持ち込みによる丸写しは不適切」だとして、すでに関係先を行政指導しました。
(現役の幼稚園教諭)「こちらが成績証明書になります」
(記者)「一番いい評価が?」
(現役の幼稚園教諭)「Sですね」
数年前に卒業した女性の成績証明書です。 ほとんどの教科で最高の評価がつけられています。このうち多くの試験で模範解答を書き写すことができたといいます。
問題が明るみになったあと、女性は職場での「生きづらさ」を感じています。
(現役の幼稚園教諭)「札幌こども専門学校を卒業しているというのは先生方分かっているので、同い年、1年目の先生には「大丈夫?」ってよく聞かれるんですよね。そういうのはちょっとなんか、私たちもずるしたくてずるしたわけじゃないので、そういうのはちょっとなんか迷惑っていうか。最終的には丸写しはもうやめて、ほかの学校とかどうやってやっているのか、ちゃんとした普通の国家資格を実践していってほしいかなと思います」
学校側はSTVの取材に「模範解答を見て解答できる状況があった」とする一方、詳細なやりとりには応じていません。
告発によって明らかになった模範解答の持ち込み問題。 「教育現場」の責任を軽んじた学校側の今後の対応が注目されます。(25/8/4 STV)
小田原女子短期大学14年に吸収合併され、保育学科通信教育課程 入学定員170名
16年 食物栄養学科の入学定員を60→80に増員、保育学科通信教育課程の入学定員を170→1,700に増員。18年 保育学科の通信教育課程を1,700→2,200に。
東京未来大学、専門学校、特別支援学校、スクール、人材派遣、クリエーヌ化粧品など
文部科学省が、小田原短期大学(神奈川県小田原市)保育学科の通信教育課程で、幼稚園教諭2種免許取得に必要な単位取得試験の際に模範解答の持ち込みを容認したのは不適切だとして、改善を求める行政指導を行ったことがわかった。阿部文部科学相が1日、閣議後記者会見で明らかにした。
同短大のホームページなどによると、2020年度から、同課程の単位取得最終試験で問題の模範解答が含まれた資料の持ち込みを認めていた。
24年度は全体の16%の問題で、学生は解答を書き写せる状況だった。23年度は1759人が同課程を修め、2種免許を取得した。
文科省は今年3月、「丸写しできる状況の試験での単位認定は不適切だ」とし、口頭での行政指導で改善を求めた。同短大は模範解答の持ち込みを禁止するなどの対応を取ったという。
この問題を巡っては、同短大と同じ学校法人が運営する「札幌こども専門学校」(札幌市中央区)の元教員男性(45)が6月30日、札幌市内で記者会見。男性は、模範解答が載った資料の持ち込みを黙認していたと告発する際に内部資料を流出させたとの理由で懲戒解雇になったのは不当だとし、運営法人を相手に地位確認などを求める仮処分を札幌地裁に申し立てたことを明らかにしている。(25/7/1 読売新聞)
幼稚園教諭の免許取得に必要な試験で、札幌市内の専門学校が模範解答の丸写しを認めていた問題。 内部告発をし懲戒解雇された男性が、無効を求める仮処分を申し立てました。
「子どもたちの命を守るために告発を行いました」と話すのは、札幌市中央区の「札幌こども専門学校」で教員として働いていた40代の男性です。
きょう札幌地裁に懲戒解雇の無効などを求める仮処分の申し立てを行いました。
男性が勤務していた「札幌こども専門学校」では、系列の小田原短大の通信教育課程を受けることで、「札幌こども専門学校」で幼稚園教諭の資格を得ることができます。
しかし幼稚園教諭免許の取得に必要な単位認定試験で、2020年から学生に模範解答の「丸写し」を認めていたといいます。
こちらは学生の点数が書かれた一覧表。ほぼ全員が「100点」をとっていました。
懲戒解雇された男性 「幼稚園の方から卒業生に関して電話がきて『担任を任せたけど一切仕事ができない。この人本当に免許をとったんですか?』と能力不足を疑う電話がかかってきた」
男性は再三、学校側に改善を求めていました。男
性の指摘後、すべて記述回答式だった試験問題は、半分が選択回答式に改められましたが、合格点のボーダーは60点。教科書を書き写せば50点は確実にとれる状況でした。
男性は今年1月、この問題を報道機関に内部告発。すると4月、自宅待機を命じられ、先月には「重要かつ秘密の内部資料を許可なく持ち出し報道機関に流出させた」として、先月末、学校側から懲戒解雇を言い渡されました。
男性 「公益目的があったにも関わらず『情報流出だ』と一方的に断じて、私を懲戒解職したことについては非常に納得できない思いがあります。」
小田原短大のホームページによりますと、毎年およそ1800人が卒業する通信教育課程では、2020年度から昨年度まで試験での模範解答の書き写しを認めていました。つまり全国にある系列の専門学校などで、同様に模範解答の書き写しが行われていたというのです。文部科学省は今年3月、改善すべきと指導を行ったとしています。(25/6/30 HTB)
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