鳥取県は5日、米子市の認可外保育施設で、職員間でのセクハラがあったとの監査結果を公表しました。
施設で一体何が起きていたのか。BSS山陰放送では、被害に遭ったという元職員の保育士らから話を聞くことができました。
元職員のAさん 「飲み会のたびに『不倫しようぜ』とか。飲み会の度に自分の取ったホテルで泊まるようにとかって言ってきたりとか。2人きりのところでキスとかしてこられて。お尻の方とかもすごく触ってきたりとかして。やめてくださいとか言っても全然取り合ってもらえませんでした」
こう話すのは、数年前まで米子市内の認可外保育施設に勤めていた女性です。 ~
この保育施設では2歳から就学前までを対象とし、鳥取県の届出保育施設として運営されていますが、5日、鳥取県がこの施設について定期監査の結果を公表。セクシャルハラスメントが確認できたと指摘しました。~
この施設で一体何が起きていたのでしょうか。 保育施設の役職員が取材に応じました。
役職員 「俺と結婚しようぜとか、飲んだ席だと思いますが、俺と付き合おうぜみたいなことは、冗談のつもりでしたが、そういう発言をしたのは事実です」
Q体を触るとかは? 「そういうのはないです。フィジカルなことはない」
Qフィジカル的なセクハラもあったという話もありますが? 「いや、記憶にないですね」
一方で、セクハラを受けたと訴える元職員の女性は、それ以外にも不当な扱いを受けたと話します。
元職員のAさん 「一番腑に落ちなかったのは、解雇にあったことです。月に1回必ず飲み会というか親睦会があるのですが、出席できないとお断りしたところ、そのことが原因ですぐ解雇されました」
最低でも月に1回はあったという飲み会。参加者は、施設で働く保育士などで、子どもたちが帰った後に開かれていたといいます。
他の元職員の女性からも、飲み会の"実態"について話を聞くことができました。
元職員のBさん「シフトが回らないくらいみんなが体調不良で、大変な状態だから延期しませんか?と言っても、1か月前から日にち決まっているのに、無理やり体調整えて出てこいと。 え?仕事と飲み会どっちが大事なんですか?って言いたくなるくらいでした」
元職員のCさん 「他の職員を触ろうとしていたのを見ました。新卒採用の子もいるし、だったら私が…と思い、いつも隣には座っていましたが、かなり酔っぱらったら触るし…」
元職員のDさん 「保育園の冷蔵庫や戸棚にお酒とかおつまみとか。いつも入ってます。お酒を飲むと人が変わるので、子どもがいようが、飲酒して暴れるみたいなこともありました」
飲み会には役職員の妻も同席していたといいますが… 元職員のCさん 「嫁も見ぬふりです。その時奥さんが目の前にいたんで、触ってますよって言いましたが無視でした」
一連の事情を把握しているという関係者も、元職員らから相談を受けた際、怒りが込み上げてきたと話します。
事情を知る関係者「家中にある施設のものは全部妻が捨てましたからね。子どもが写っている写真とかも、気持ち悪いって言って。卒業の時にもらった写真とかもバッカーンみたいな。何のために子どもを通わせたんだろうって。
事故を装って子どもにケガをさせられたら、という恐怖もあるし、これだけセクハラを平気でする人が、実際子どもに手を出さないということはないと思うし、絶対に子どもの前に立つべきでないと思います」~(23/9/7 BSS)
指導を受けたのは、米子市の認可外保育施設「ズー・フォニックス・アカデミー米子校」です。
鳥取県が2023年6月に実施した定期立ち入り調査で、役職員1人が、職員に対し、不快な性的言動、セクシャルハラスメントを行っていたことが分かり、県は、適切な保育の実施の確保に影響があるとして施設に対し、9月4日付けで、児童福祉法に基づいて文書で指導し、同様のハラスメント行為が発生しないよう改善策の提出を求めました。
施設のオーナーの男性はTSKの取材に対し、「セクハラと取られてもしようがないことをした」と県の指導内容について認めたうえで、飲み会の席で、職員に対し、「俺と結婚しよう」と場を盛り上げる冗談として発言したと説明しました。
一方、TSKの取材に応じた施設の職員からは、オーナーからハラスメントを受けたという複数の証言が得られました。施設に半年間勤務していた元職員は…。
元職員: 「飲み会の席で酔っぱらって不倫しようぜと言われる。隣に座られておしりを触ってきて、ズボンの中に手を突っ込んできて何度もまさぐってくることもある」
さらに、子どもがいる施設内でもハラスメントがあったといいます。
元職員: 「子どもがいる前で声を荒らげられたので、びっくりした子どもが泣いたりした。私が知り得ないもっと昔からあったと聞いているし、慢性的に続いていたことと聞いている」
また、このほかにも施設内のやりとりを記録した音声データが残っていました。
オーナーとみられる男性: 「あすから来なくていいよ。おめーはもういいよ。やる気ねえんだろどっちにしろ」
職員によると、オーナーは「ミーティング」と称して、少なくとも月に1回、職員を飲み会に誘っていたということです。しかし、出席を断ると…。
オーナーとみられる男性: 「じゃあなんで会社の忘年会に出れねーんだよ。会社の宴会にこれないことをなんでそんな公言できるんだ。彼氏も連れてきなよ」
ハラスメントとも受け取れる威圧的な言葉を受けたということです。
また、ハラスメントに耐えられず、退職を申し出た職員に対してはこのようなメールが送られたということです。
メールの本文: 「私には貴方が米子の全ての保育園で働けなくする力は実はありますよ。立ち居振舞い、発言は程々にして下さい。(中略)米子舐めるなよ、大物県議、大物市議に伝えるよ。(中略)何トチ勘違いして我々を舐めたこと吹いてんの?お目出度い野郎だな。ド勘違いするなよ、貴方は最下層の人間」
オーナーの男性は、妻が経営する市内の別の保育施設でも副園長を務めていて、この施設の複数の職員もハラスメントを受けたと話しています。
県の指導に対し、施設側から、5日付で「2度と性的な発言はしない」「外部の第三者機関に苦情窓口を設置する」とする改善策が提出されたということです。
TSKの取材に対し、オーナーの男性は「こういうことになったことは残念」とコメントしています。(TSK)
TheEduceLLC.米子ナーサリー・スクール
ウェブリカDA ズー・フォニックス・アカデミー米子校
三島史行 純子