大阪府立高校の63歳の教諭が、勤務時間中に200回近くにわたって職場を離れ商店街やテーマパークなどを訪れていたとして、大阪府教育庁は、29日付けで教諭を懲戒免職処分にしました。
懲戒免職の処分を受けたのは、大阪府立島本高校の石井義彦教諭(63)です。
大阪府教育庁によりますと、教諭はおととし4月から去年12月にかけて、勤務時間中にあわせて199回、およそ700時間にわたり、職場を離れていたということです。
この間、教諭は、京都市内や大阪市内の商店街を訪れて買い物をしたり、テーマパークや銭湯に行ったりしていたということです。
教諭は体育を担当していて、職場を離れた時間帯の85回分の授業は、別の教諭が代わりに行っていたということです。
大阪府教育庁の調べに対し、教諭は「母親の介護などがあり、現実逃避したかった。周囲に迷惑をかけ、後悔している」と話したということです。(22/3/29 NHK)
石井教諭は2020年4月から21年12月にかけ、199回、計695時間にわたり、同僚に「家の都合で出る」と言い残して職場を抜け出していた。
教諭はその足で京都の河原町や大阪の天神橋筋商店街に立ち寄り、買い物をしたり、銭湯に行ったり、東映太秦映画村(京都市)で遊んでいた。
昨年末、石井教諭が校内の会議に欠席していたことから、校長が「どこに行ったんや? もう帰ったんか?」と不審に思い、本人に問いただしたところ、「ズル早退」がバレた。
教諭は教育庁の聞き取り調査に対し、「母親の介護などがあり、現実逃避したかった。認識が甘かった」と言い訳しているという。
教育庁教職員室教職員人事課の担当者がこう言う。 「通勤用のICカードの乗車履歴から、行き先を特定しました。20年4月以降しか履歴を確認できなかったため、本人は否定していますが、それ以前はどうだったのかは分かりません。教員はパソコンにそれぞれIDとパスワードを入力して出退勤を記録しますが、石井教諭は複数の同僚教諭に自分のIDとパスワードを教え、代わりに勤務時間終了後の退勤を打刻させていた。
上下関係が厳しく、同僚たちは従うしかなかったようです。
無断外出した199回のうち、およそ3割が東映映画村で、1人で訪れていたそうです。本当に母親の介護だったか確認していませんが、どちらにしても処分の対象であることに違いはありません」
石井教諭は日体大柔道部出身で、08年4月に島本高に着任。定年後、同校に再任用された。
15年には息子で北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの総合格闘家、石井慧の試合でセコンドを務めたこともある。
石井教諭が丸投げした85回分の授業については複数の教諭が手分けして担当したという。
教育庁は石井教諭が職場を離れていた時間分の給与、約150万円全額を本人に返還させる方針だ。(日刊ゲンダイ)