奈良市の塾経営者の男が女子生徒の首や足首を犬用の首輪で結ぶなどしたとして逮捕監禁の罪に問われた裁判で、奈良地方裁判所は、「加虐的な趣味を満たすために犯行に及んだもので、酌量の余地は皆無だ」などとして、懲役2年の実刑判決を言い渡しました。
奈良市の学習塾経営、伊藤耕司被告(62)は、去年11月、10代の女子生徒を個別指導していた際に首や足首を犬用の首輪で結びリードでつなぐなどしたとして逮捕監禁の罪に問われました。
26日の判決で、奈良地方裁判所の田中良武裁判官は、「生徒を補習の名目で呼び出し、優越的な立場を利用した卑劣な犯行で、3時間20分もの間、逮捕監禁された生徒の苦痛は大きい」などと指摘しました。
そのうえで、「みずからの加虐的な趣味を満たすために犯行に及んだもので、自己中心的な動機に酌量の余地は皆無だ」などとして、懲役2年の実刑を言い渡しました。 求刑は懲役3年でした。(20/5/26 NHK)
判決理由で、田中裁判官は「優越的な立場を利用した卑劣で計画的な犯行」と指摘。「自らの加虐的な趣味を満たすために行為に及んでおり、執行猶予を選択できる事案ではない」と断じた。
判決などによると、伊藤被告は昨年11月17日午後1時~4時20分ごろ、自身が経営する奈良市の塾の教室で、10代の女子生徒の首と両足首に犬用の首輪をつけた状態で指導。首輪同士を金属製のリードでつなぐなどし、女子生徒が「死ぬからやめて」と訴えても、やめなかった。
伊藤被告は同年10月下旬ごろに犬用の首輪を購入後、女子生徒を「補習」名目で呼び出し、課題を達成できなかった「ペナルティー」として首輪をつけて引っ張るなどの行為を繰り返していた。
伊藤被告は公判で、犯行に及んだのは「悪ふざけがエスカレートした。自身の嗜好(しこう)が出た」などと述べていた。(産経新聞)
「被害者の10代少女が帰宅後、母親に『今日、こんなことがあって』と話すと、母親が『とんでもない!』と驚き、警察に駆け込んだ。少女は数年間、この塾に通っており、今回の首輪の拘束を『内心嫌だったが言い出せなかった』と話しています」(県警担当記者)
容疑が固まった1月7日に逮捕。捜査関係者によれば、「少女に怪我やアザはなかった。伊藤には動機や性的嗜好について聴取している。なお、伊藤は犬を飼っていなかった」。
同塾には小学生から高校生までの生徒が約20人通っているが、保護者からはさまざまな声が漏れる。
「子どもが来月、高校受験なのに……動揺している」 「(伊藤は)素晴らしい先生ですよ。感謝しかない」
だが一方で、伊藤の元同僚講師は、「彼がこういう事件を起こすのは時間の問題やった」と語る。
伊藤は2009年、前に勤務していた塾から独立して経営者となり、主に国語と英語を担当。妻子持ちで、弟も同塾で講師をしている。
塾周辺の住民は「メガネとアゴヒゲが印象的。いつもこざっぱりとして、愛想のいい人」という一方、元教え子はこう振り返る。「高圧的で、授業態度も冷徹でした。両手の指10本すべてが深爪で、指先の3割ぐらい肉になっていたのが記憶に残っている。友達と『そんなに切ったらめっちゃ血が出るやろ』って」
大学卒業後から塾講師一筋だった伊藤は、大阪の塾を経て、奈良市内の系列校に再就職している。
同塾関係者が素顔を明かす。「大阪では塾長をしていたが、給与が高すぎてクビになり、『仕事がない』というので奈良で受け入れられた。性格はキレやすいところがあり、生徒に『何でこれが分からないんや』『何で大人しくせえへんのや』と怒鳴って、手が出ることもあった。
好きな子は猫かわいがりするが、タイプが合わない子にはかなり厳しく接する。指導の一環で、生徒の父親を夜の23時に呼び出して面談したことがあり、『なんでこんな時間に呼び出すんや!』とトラブルになりました」
自身の塾を独立開業した際にも一騒動あった。「『離れた場所で新しく塾を開く』というので周囲も応援していたが、気付いたら近所に開業していた。塾のコピー機で作ったチラシを保護者に配り、『グループの分校なのでこちらに来てください』とウソをついて、150、60人いた生徒のうち約半分をゴソッと引き抜かれました」(同前)
最初に開業した塾の近隣住民によれば、 「テナントの壁を壊して数店舗分を借り、母親の日舞と父親の絵画の教室も開いていた。でも2年もすると生徒が半分くらいに減り、やがて退去することに。
その際、『金がないから』と押し通し、壁を原状回復せず出て行った。大家さんは『契約があってないようなもんや……』と弱っていた」
伊藤は取調べに「すべて私がしたこと。間違いない」と容疑を認めている。まずは心に深い傷が残された少女に謝罪すべきだろう。 (20/1/23日号 週刊文春)
学習塾の教え子である女子生徒に首輪をつけて監禁したとして、奈良県警奈良西署は7日、逮捕監禁の疑いで、奈良市、学習塾「平成進学会藤ノ木台教室」経営、伊藤耕司容疑者を逮捕した。
「すべて私がしたこと。間違いない」と容疑を認めている。女子生徒にけがはなかった。
逮捕容疑は昨年11月17日午後1時~同4時20分ごろ、自身が奈良市内で経営する学習塾の教室で、県内に居住している10代の女子生徒の首や両足首に犬用の首輪をつけて結束し、逮捕監禁したとしている。
女子生徒と保護者が同20日、奈良西署に相談して発覚した。
伊藤容疑者はマンツーマンで勉強を教えていた際、女子生徒に「これをつけろ」などといって首輪をつけさせ、首と両足首をリードでつないだ状態で指導。両手は自由に動かせたため、女子生徒はそのまま勉強を続けたという。
同署によると、伊藤容疑者の塾は小学生~高校生を対象に個別・集団指導を行っている。
アルバイトを含む複数の講師を抱え、数十人の生徒が受講。伊藤容疑者自らも複数の教科を教えていた。一方で同様の被害相談はないといい、同署は目的や動機を調べている。(20/1/7 産経新聞)
署によると、事件当時は個別指導を行う日で、伊藤容疑者と女子生徒が2人きりだった。
容疑者がマンツーマンで指導に当たっている最中に「これをつけようか」と言い、勉強していた女子生徒の首に犬用の首輪を付けた。
その後、「これもつけようか」と言い、女子生徒の両足首をまとめて別の犬用の首輪を付けた。 さらにエスカレートし、首と両足首の首輪を犬用リードでつないだという。
両手は自由だったため、この状態で容疑者は指導を行い、女子生徒は勉強を続けた。この間、首輪を複数回付けたり外したりしたものの、最大で3時間以上にわたり、容疑者は女子生徒を首輪で結束した状態で、指導していた可能性がある。女子生徒にけがはなかった。
署は動機や目的などを調べている。署によると、容疑者は犬を飼っていないという。
署によると、女子生徒は容疑者が経営する塾に、数年前から週に数回のペースで通っていた。
女子生徒は「内心は嫌だったが、先生と生徒の関係から言えずにいて、抵抗できなかった」と話しているという。(日刊スポーツ)