>フィリピン・マニラ市で2010年11月、松谷祐一郎さん(当時35歳)が射殺された事件で、殺人容疑で逮捕された同社社長、新井正吾容疑者(43)が事件前、知人のフィリピン人女性にメールで銃の調達を依頼していたことが捜査関係者への取材で分かった。
京都地検は5日、正吾容疑者と兄で同社役員、茂夫容疑者(56)=いずれも詐欺罪などで起訴=を殺人罪で起訴した。
地検は認否を明らかにしていないが、弁護人らによると、両被告は起訴内容を否認しているという。
起訴状によると、両被告は氏名不詳の者と共謀し、10年11月24日午後9時(日本時間午後10時)ごろ、マニラ市中心部の路上で松谷さんの頭などを拳銃で数発撃ち、殺害したとされる。
松谷さんには渡航直前、同社を受取人とする1億円の海外旅行傷害保険がかけられていた。
府警捜査本部は、会社経営に行き詰まった両被告が保険金目当てに松谷さんを旅行に誘い出し、計画的に殺害したとみて、保険金詐欺未遂容疑でも捜査する方針。
捜査関係者によると、昨年11月、正吾被告の知人で現地在住のフィリピン人女性が府警の捜査員らに対し、正吾被告からメールで拳銃の調達を頼まれたという趣旨の証言をしたという。
殺人容疑での逮捕後、地検も検事を現地に派遣し、この証言を確認した模様だ。
しかし、凶器の拳銃は見つかっておらず、実行犯も特定できていない。
検察側は公判で、保険加入の経緯の不自然さなど状況証拠を積み上げて立証するとみられる。(14/2/5 毎日新聞)

>フィリピン・マニラ市で2010年11月、京都市伏見区、学習教材販売「グローバル・コーポレーション」の社員、松谷祐一郎さんが射殺される事件があり、京都府警は15日、同社社長ら兄弟2人が殺害に関与したとして殺人容疑で逮捕した。
松谷さんには同社を受取人とする1億円の海外旅行傷害保険がかけられており、府警は保険金目的で殺害したとみて伏見署に捜査本部を設置し、事件の全容解明を進める。
逮捕されたのは、京都府宇治市、同社社長、新井正吾と、兄で住所不定、同社役員、茂夫の両容疑者=詐欺罪などで起訴。
逮捕容疑は2人は共謀し、10年11月24日午後9時ごろ、マニラ市中心部の路上で、何者かに依頼して松谷さんの頭などに複数の銃弾を発射させ、死亡させたとされる。
府警は実行犯が茂夫容疑者自身の可能性もあるとみて捜査している。
両容疑者は容疑を否認しているという。
府警などによると、両容疑者は会社の経営が悪化したため、保険金取得を計画。
松谷さんに保険をかけ、11月21日からフィリピンに連れ出した。
旅費、保険料とも会社負担だった。
11月24日夜、松谷さんの遺体が路上で発見された。
男にかばんを奪われそうになり、銃撃されたとの目撃情報があり、現地警察が強盗殺人事件として捜査。
府警は刑法の国外犯規定に基づき、事件の約2週間後にフィリピン政府から松谷さんの遺体の引き渡しを受けて司法解剖し、11年と昨年、捜査員を現地に派遣した。
昨年9月以降、他の詐欺事件で両容疑者ら関係者数人を詐欺容疑で逮捕した。
松谷さんの事件後、両容疑者が保険金を請求したが、保険会社は「正吾容疑者らが共謀して殺害した可能性がある」として拒否。
両容疑者は11年、支払いを求めて東京地裁に提訴し、地裁は昨年5月、「(正吾容疑者らが)殺害したとの十分な証拠はない」として保険会社に全額支払いを命じた。
保険会社側は控訴し、現在も係争している。(1/15 毎日新聞)

>逮捕容疑は10年11月24日午後9時ごろ、マニラ市イントラムロス地区の路上で、何者かに松谷さんの頭部などを拳銃で複数回撃たせ殺害したとしている。
府警によると、フィリピンには教材販売会社の慰安旅行で同21日に入国していた。
松谷さんに1億円の旅行保険が掛けられ、受取人は同社になっていた。
同社に1億数千万円の負債があったことなどから、府警は保険金目的の殺人だった可能性があるとみて、捜査員を現地に派遣するなどして捜査を進めていた。
保険金については、保険会社が死因が不自然として支払いを拒否し、東京高裁で係争中。
兄弟は昨年、失業給付金や生活保護費をだまし取ったとして詐欺などの疑いで逮捕、起訴されていた。(産経新聞)

>松谷さんは当時、教材販売の営業担当をしており、旅行は成績が優秀なことへの慰安目的で、殺害される3日前から1週間の予定で両被告とフィリピンを訪問していた。
この日、松谷さんの母は「真相解明を期待したい」と話した。
一方、正吾被告は知人女性のために健康保険証をだまし取ったなどとして、茂夫被告は生活保護費約120万円を不正受給したとして、昨年10~12月に逮捕、詐欺罪などで起訴された。
新井正吾、茂夫両被告は保険会社に拒否された保険金の支払いを求めて2011年6月、東京地裁に提訴し、法廷で旅行の経緯や事件当日の様子を語っていた。
正吾被告は旅行について「兄弟で行く予定だったが、松谷さんが参加したいと言うので、ノルマを達成したら連れて行くと約束した」と説明。
松谷さんは優秀な営業マンだったとし、「死亡は会社にとって痛手だった」と振り返った。
また、茂夫被告は事件当日について「松谷さんと2人で食事後、ホテルに戻ろうとしたら『行くところがある』と言われ、別れた」と証言し、「ホテルに戻った後も松谷さんが帰らないので、何度か電話したがつながらなかった」と話した。
訴訟では、保険会社側は両被告が松谷さんを殺害したなどと主張。
昨年5月の1審判決は
〈1〉当時、会社の負債は膨れ上がり、両被告の経済状態も悪化していた
〈2〉過去の社員旅行では従業員に保険をかけなかった
――と認定し、「保険会社が疑問を抱くのもうなずけなくもない」としたが、「(両被告が)松谷さんを殺害したと認める証拠はない」として、保険会社側に1億円の支払いを命じた。
保険会社側は控訴している。(読売新聞)