>日本漢字能力検定協会が03年7月、京都市左京区の土地と建物を計約6億7000万円で購入していたことが29日、分かった。
また、同協会が04年2月、理事らの没後供養を目的に、同市右京区の宝厳院に供養塔を約345万円で購入していたことも分かった。
文部科学省は「法人の趣旨や事業内容から適切な支出だったかどうか調査する」としている。
文科省によると、同協会が購入した土地は約3900平方メートル。建物は和風建築の2棟で、延べ床面積が計約1300平方メートルあり、登記簿では居宅となっている。
協会関係者は住んでおらず、同協会は「漢字の資料館を設置するために購入した」と説明しているが、宅地となっている土地の用途を変更せず、主に来客に資料を見せる場として使っていた。
同協会は「文科省の調査に全面的に協力し、その調査結果を皆さまに報告するとともに、今後の運営計画に反映していく」としている。(09/1/29 共同通信)


>府教職員組合(大阪教組)は27日、府の教育施策に抗議する緊急声明を発表した。財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)の協力を得て、府教委が2月、府内の小中学生を対象に無償で漢検を実施したことについて「学校別の成績を無料で提供するだけ」と指摘。
携帯ゲーム機の活用や放課後学習へ塾講師を派遣する方策を「教育にはほど遠い」と厳しく断じている。
同協会を巡っては、公益事業の漢検で約15億円の利益を上げ、理事長が代表を務める広告会社に計8億円の業務委託をしていたことも判明している。
大阪教組の新居晴幸委員長は「社会的な公正性が問われるような法人とかかわるのは、いかがなものか」と疑問を呈した。(2/28 毎日新聞)

>日本漢字能力検定協会が、大阪府教育委員会に対して、小中学生約3万人の漢字検定の無料受検を提案していた問題で、13日、児童生徒は予定通りそれぞれの小中学校で受検する。
受検するのは府内142校に通う小学4年~中学2年の計2万9千人。昨年10月末、協会側から府教委に「調査のため、児童生徒5万人に2年続けて無料で受けてほしい」と提案があった。
文部科学省は当初、「なぜ大阪だけなのか。一地域での調査が公益に資するものかを調べる必要がある」と疑問視していた。
その後、協会から事情を聴いたところ、協会は「自治体を対象とした調査研究事業は、全国の自治体とも協議を行っていく」と説明。文科省は「今後、事業の行方を見守りたい」と態度を軟化させていた。
府教委によると、予定していた受検を取りやめた学校はないという。「調査の妥当性にも問題がない」(府教委小中学校課)として、来年も提案通り受検させる方針だ。(2/13 朝日新聞)

>協会によると、小中学生の漢字能力を確かめる目的の調査だが、文科省は「なぜ大阪だけなのか。調査のあり方に問題がないか確かめたい」として事情を聴く方針だ。
大阪府教育委員会によると昨年10月末、協会側から「調査のため、児童生徒5万人に2年間続けて無料で受けてほしい」と提案があった。このため小学4年~中学2年を対象として、各小中学校を通じて希望者を募った。
検定料は級ごとに異なるが、小学4年~中学卒業程度の7~3級は2千円で、約3万人の検定料は本来なら6千万円近くになる。
これに対し、文科省生涯学習推進課の担当者は「大規模、広範囲に調査したいのであれば、大阪に限定せず全国からサンプルをとる方法もある。一地域での調査が公益に資するものかを調べる必要がある」と話している。(1/28 朝日新聞)

>公益事業では認められない多額の利益を上げていた日本漢字能力検定協会が、協会の大久保昇理事長が代表を務める広告会社「メディアボックス」(同市西京区)に、広報費など年2億~3億円の業務委託費を支払っていながら、文部科学省の調査に対し、報告していなかったことがわかった。
同省は、公益法人が法人関係者の有利になる取引を結ぶことを禁じた指導基準に違反する恐れがあるとして調査している。
同省によると、こうした取引について昨年10月に調査した際、協会は、出版会社と情報処理会社にビル賃借費や検定料決済事務代行費で年計約2億円を支払っていると報告。同省は「適正な価格」と判断した。
ところが、今年になって、両社と同じ所在地に登記されているメディアボックスの存在が判明。同省の再調査に対し、協会は広報企画や宣伝媒体の選定、機関誌作成などの業務を委託していたとして、06~08年度で計約8億円を支払ったと説明したという。同省は「業務内容の実態や、代価が適正だったかどうかを明らかにする必要がある」とし、近く行う緊急の立ち入り検査でも調べる。
公益法人の見直しのため昨年12月に施行された新公益法人制度でも、公益法人が法人関係者に特別な利益を与えることは禁じられている。
同協会は読売新聞の取材に対し、「(報告しなかったのは)失念していたのかもしれない」としている。
能見善久・東京大名誉教授(民法)の話「税の優遇を受けている公益法人で、代表権を持つ理事長らに特別な利益を与えるような取引は許されない。取引先として法人の利害関係者を選ぶなら、取引額や内容などの情報を開示し、外部から適切かどうか判断できるようにすべきだ」(1/23 読売新聞)

>日本漢字能力検定協会が、検定ブームで利益が過剰になり、所管する文部科学省から再三、指導を受けていることが分かった。受検料の値下げや公益的な支出に回す分が不十分で、税の優遇を受ける財団法人として不適切な疑いがあるとして、同省は近く立ち入り検査をする。
漢字検定は、受検者が00年の158万人から、07年は272万人に急増している。文科省によると、04~07年度の4年間に毎年7億~8億円の利益が上がり、資産が約50億円から、73億5千万円になった。検定料は級ごとに異なり、小学校1年程度の10級は1500円、大学・一般程度の1級だと5千円。一方、経費は2千円前後という。
財団法人の公益事業について、指導監督基準は、健全な運営に必要な額以上の利益を生じないように定めている。このため文科省が04年以降、3度立ち入り検査し、受検料を下げるか、公益事業に回すように指導してきた。
協会は、1級の受検料を6千円から5千円に下げるなどしてきたが、ブームが続いてなおも利益が多すぎる疑いがあるとして、文科省は立ち入り検査を決めた。
同省担当者は「悪意はないとみられるが、基準に抵触する可能性があるため」と話している。協会側は「事実を確認のうえ、今後の運営計画を立てたい。調査にはきちんと対応していく」とコメントした。(朝日新聞)

>日本漢字能力検定協会が、利益を上げることが認められていない検定事業などで、過去5年間に計約20億円の利益を得ていたことがわかった。
経費の最大3倍の検定料を受検者から徴収していたという。
同協会は92年に旧文部省が財団法人として設立を許可した。こうした公益法人の指導監督基準は「公益事業で必要な額以上の利益を生じないようにすること」と定められており、文部科学省は近く、緊急の立ち入り検査に入ることを決めた。
協会は、年末には、清水寺(同市東山区)で「今年の漢字」を発表することでも知られている。
主な事業は1級から10級までの漢字検定で、受検志願者は当初12万人だったが、「検定ブーム」に乗り、07年度には20倍以上の270万人に増大した。
文科省によると、これらの事業により、協会は03年度から07年度にかけて最高で年9億円の利益を上げており、合計額は20億円にのぼる。
文科省は04年以降、再三にわたって「対価が適正でない」として、級によっては受検者1人あたりの費用(約2100円)の3倍近くに設定していた検定料の引き下げなどを指導してきた。
協会は07年度から検定料の一部を値下げして5000円~1500円としたり、昨年12月末には改善計画を回答したりしたが、文科省は具体的な対策ではないとして、立ち入り検査に踏み切ることを決めた。
昨年12月に施行された新公益法人制度でも公益事業で利益を得ることは原則、禁じられている。
内閣府公益認定等委員会事務局は「このままでは公益法人としての基準を満たさない。幅広く営利活動ができる一般法人として存続するためには、財産を別の公益事業に寄付するなどしなければならない」としている。
同協会は読売新聞の取材に対し、「忙しくて答えられない」としている。(1/22 読売新聞)