>不明朗な運営を指摘されている財団法人「日本漢字能力検定協会」と前副理事長系の関連会社が、漢字検定の採点業務を別の情報処理会社に委託しながら、実際はこの会社に採点担当のアルバイトを派遣させ、協会関係者の指示で採点業務に従事させていたことが関係者の証言で分かった。
京都労働局はこうした形態を「偽装請負」とみており、近く同協会や関連会社を労働者派遣法違反で是正指導する方針だ。
協会関係者によると、漢検協会は年3回の漢字検定の採点を、大久保浩・前副理事長が経営する情報処理会社「日本統計事務センター」に業務委託。同センターはさらに、京都市内の別の情報処理会社に同業務を一括して再委託しており、契約上はこの会社が直接採点をすることになっていた。
しかし実際には、再委託を受けた会社に雇われたアルバイトが、漢検協会や同センターが設置した採点会場に派遣され、協会職員や同センター社員の指導を受けながら採点業務に当たっていたという。
京都労働局は3月、協会や同センターを立ち入り調査。文部科学省が協会に対し、6月の漢字検定実施を認めたことも踏まえ、近く採点業務のあり方の是正を求めて指導する。(09/5/8 朝日新聞)

>大久保昇前理事長らが代表を務める関連会社4社が08年度、協会の委託業務の約97%(金額ベース)を半額以下で別の会社へ再委託し、約12億1000万円を“中抜き”していたことが分かった。
06~08年度の3年間で約33億8000万円に上る。
再委託しなかった残り約3%の業務も協会の外部調査委員会から見直しを求められており、実質的には関連会社の介在がすべて不必要だったことになる。
協会は30日に開く理事会で、いったんは取引継続を決めていた不動産・出版会社「オーク」と情報処理会社「日本統計事務センター」への業務委託の解消を盛り込んだ改革案を諮る方針。
内部資料によると、再委託の率が特に高かったのは、取引額の大きいオークと日本統計事務センターだった。オークは08年度、8億7000万円で協会から受注した書籍製作・販売業務すべてを3億6000万円で計21社に外注。日本統計事務センターもシステム開発や採点など11億9000万円の99%に当たる業務を4億8000万円で計24社へ再委託していた。
一方、広告会社「メディアボックス」は08年度、協会から受注した2億6000万円のうち広報業務7000万円を外注に出さなかったものの、調査委は「本来は前理事長と前副理事長が行う業務で、同社を介在させる必要性はない」と指摘。文章工学研究所との600万円の取引も、再委託先である研究者個人との取引だった。
これらから、4社は08年度、協会から23億2000万円で受けた業務のうち22億5000万円分を10億4000万円で外注し、“中抜き”した利益は54%に上っていた計算になる。また、06~08年度の3年間で、68億8000万円の受託業務のうち66億5000万円分を32億7000万円で再委託していた。(4/30 毎日新聞)

>日本漢字能力検定協会と関連4社との取引の全容が、関係者の証言で明らかになった。協会は06年度から3年間で、4社に対して計約61億円の業務を委託し、このうち3社が、大半の業務を別の会社に再委託し、約30億円の差益を得ていた。
4社からは、大久保昇・前理事長(73)、長男の浩・前副理事長(45)ら親族計5人に、報酬や配当として6億円以上が流れていた。一部では人件費の過大請求も見つかっており、鬼追(きおい)明夫理事長(74)は内部調査を進めるとともに、取引の全面見直しを表明している。
取 引
関係者によると、約15億円と差益が最も高額だったのは、浩前副理事長が代表を務める情報処理会社「日本統計事務センター」。大久保前理事長が代表を務める3社のうち、調査研究会社「文章工学研究所」以外の出版会社「オーク」は約12億円、広告会社「メディアボックス」が約3億円の差益を得ていた。
協会は4社に、書籍製作や広告、採点業務などを3年間で計1500万~31億円で委託。文章工学研究所以外の3社は、20~30社に約5億~16億円で再委託していた。文章工学研究所は非常勤職員が調査研究業務を行っていただけで、再委託はしていなかった。
オークは受託業務のほかに、協会に本部ビルなどの不動産を貸しており、3年間で約5億円の賃貸料を受け取っていた。
過大請求
日本統計事務センターは、各年度約8億~12億円で、委託された業務のほとんどを外注しており、外注の総額は約4億~6億円だった。
また、協会のコンピューター監視業務で08年、協会に対して2人分で月約225万円を請求していたが、実際の担当者は1人で、人件費などとして支払ったのは約92万円だった。同社を巡っては、検定事務代行手数料の過大請求や、作業費二重請求が判明している。
還 流
大久保前理事長ら親族5人は、これら4社から報酬として3年間で約5億3000万円を受け取ってきたことがわかっている。また、07年度だけで、うち3社が大久保前理事長らに7900万円を配当していたことも新たに判明し、少なくとも6億円以上を受け取っていたことになる。
このほかにも、大久保前理事長はオークから昨年末の時点で約4億8000万円を借り入れ、オークとメディアボックスから昨年、不動産の賃料約3600万円を得ていた。
これらの取引について、協会は見直しを進めており、会社としての実体がほとんどないメディアボックスと文章工学研究所との取引についてはすでに解消。オークの書籍製作業務についても、5月初めに解消すると決めている。(4/26 読売新聞)

>そもそも学校があるのに漢字能力検定協会とか試験がなぜ必要なのか
財団法人である日本漢字能力検定協会を食い物にした大久保親子はカネの亡者だ。脱サラしたオヤジの大久保昇前理事長(73)が75年に任意団体を立ち上げ、92年に財団法人の認可を受けると、濡れ手で粟のボロ儲けが始まった。
親子がトップのファミリー企業に業務を丸投げし、そこから給与として利益を還流。
オヤジが年間約7000万円、長男の浩前副理事長(45)は5000万円以上、ほかの家族3人も3980万~7110万円の報酬を受け取るだけでなく、一族は、ファミリー企業から年間7800万円もの株式配当金までもらっていた。やりたい放題だったのだ。
大久保親子はどうしようもない悪党だが、こんな検定に群がった受検者も浅はかだった。カネを返せといっても後の祭りである。
漢検の暴走を事実上、黙認してきた文科省の責任も重大だ。
法大教授の尾木直樹氏(臨床教育学)はこう言う。
「漢検バブルは文科省のゆとり教育が招いたのです。02年4月導入前、学力低下批判にアワを食った遠山文科相(当時)は『学びのすすめ』なるお達しを出し、漢検を推奨した。文科省の言いなりの現場は、漢検に飛びついた。それで、高校や大学の単位認定や受験で漢検資格が評価されるようになったのです。
年間280万人の受検生の8割が学校や予備校などによる団体受検で、漢検の根幹を支えている。
行政の後押しがなければ、こうまで漢検が幅を利かせることはありませんでした。
本来、漢字の学習は学校教育の一環で身に付ければいい類のものです」
漢検が履歴書に堂々と記入されるようになり、テレビで漢字クイズがもてはやされるようになったのも文科省が太鼓判を押したからだ。
税務署の怠慢もひどいものだ。公益法人は原則非課税で、収益事業でも税率は3割。
大久保親子はこの税制優遇を存分に悪用してカネをたんまり貯めこみ、使い込んだ。協会のカネを流用して、京都の一等地に約6億7000万円もの豪邸を構え、まだ生きているくせに自分らを供養する墓碑を約350万円で建立していた。こんなもの大久保親子の「所得」とみなして課税するのが当然だろう。
「公益法人である以上、監督官庁が大ナタを振るわない限り、手も足も出ない」(国税関係者)というが、不合理にメスを入れるよう働きかけることぐらいできたはずだ。
結局、バカを見たのは漢検に踊らされた受検者だった。(09/4/23 日刊ゲンダイ)

>財団法人・日本漢字能力検定協会が、大久保昇前理事長らが代表を務めるファミリー企業4社と巨額の取引を行っていた問題で、大久保前理事長や長男の浩前副理事長、親族らに対し、4社から役員報酬や給料などとして1年間で計約2億9700万円が支払われていたほか、協会も計約1400万円を支出していたことが20日、関係者の話などでわかった。
大久保前理事長は「協会から報酬は受けていない」としていた。
しかし、協会から一族に直接、間接に巨額の資金が流れていた構図が浮かび上がった。
また、大久保前理事長が平成19年9月、理事会の承認を経ないまま、在職中にもかかわらず協会から5300万円の退職金を受け取っていたことや、協会名義のクレジットカードを私的に使用していたことも判明。いずれも、後にファミリー企業が肩代わりしていたとみられる。
関係者によると、協会は19年度、大久保前理事長が代表を務める出版・不動産賃貸会社「オーク」(京都市)などファミリー企業4社に対し、協会の経常収益の33%にあたる23億6400万円の取引を委託。
4社の役員はいずれも前理事長ら一族が占め、株主も一族や別のファミリー企業が名を連ねており、20年1~12月の間に、4社から一族側に対し、役員報酬約1億6500万円▽給料約1700万円▽株式配当約7900万円が支払われたほか、国内外の不動産10件の家賃として年間計約3600万円が支払われた。
これとは別に、協会からは19年度、役員報酬として800万円と親族の給料600万円が支出された。
関係者によると、家賃にかかる物件のうち、滋賀県守山市のリゾートマンションや米コロラド州のオフィスなど6件は使用実態が不明だという。
一方、協会によると、大久保前理事長が理事長職にいながら受け取った退職金は、理事長側から20年6月~今年1月の間に3回に分けて返済されたが、それもオークが肩代わりした可能性がある。協会は「退職金が支払われ返済されたのは事実だが、経緯などはわからず、新体制のもと調査していきたい」としている。
さらに大久保前理事長は、協会名義のカードを私的な飲食の支払いなどに使用。前理事長の個人使用分や、株式取引資金などはオークが肩代わりしたとみられ、同社から前理事長への貸付金残高は、昨年12月末現在で4億8100万円にのぼっている。(4/21 産経新聞)

>日本統計事務センターが、協会から業務委託された日本漢字能力検定(漢検)の事務を他社へ再委託した際の利益率が50%に上っていたことが分かった。
業務を右から左へ「丸投げ」しただけで受注額の半分を手にしていたことになる。
協会の外部調査委員会の調べなどによると、同社は08年度、協会から約11億9000万円の業務を受注。このうち▽漢検の受け付け業務▽採点業務▽決済業務--で計10億円近くに上り、採点業務のごく一部を除いて他社に再委託していた。
協会から受け取る手数料は、受検者1人当たりの採点作業料が180円などと単価が決められており、それに受検者数を掛けた金額を協会に請求。別の会社に低い価格で再委託することで、おおむね50%の利益率を保っていたという。
漢検業務そのもの以外のシステム開発でも協会から9000万円で受注した業務を2000万円で再委託したケースもあったことが既に判明している。
調査委は受け付けや採点業務の外部委託自体は合理性があるとしているが「日本統計事務センターが別の会社に再委託している事実をみると、同社に委託する必然性はない」としている。(4/20 毎日新聞)


>「日本漢字能力検定協会」が不明朗な運営をしていた問題で、前理事長が代表を務め、協会から参考書などの出版を請け負っていた会社は、実際には協会の職員が企画・制作したものを外部の印刷会社に発注するだけで、年間4億円を超える利益をあげていたことが協会関係者への取材でわかりました。(4/21 NHK)

>財団法人「日本漢字能力検定協会」が、前理事長と前副理事長の親子が経営する関連4社に巨額の業務委託をしていた問題で、弁護士らによる内部調査委員会が、うち3社への委託について「必要性がない」と指摘していたことがわかった。
不要とされた委託額は07年度で15億円以上にのぼり、総額の約6割を占める。
前副理事長が、記載が義務付けられた4社との取引を決算書から削除させていたことも判明。一連の不透明な取引を隠蔽(いんぺい)する狙いがあったとみられる。
文部科学省の調査によると、07年度の委託額は、出版会社「オーク」(代表・大久保昇前理事長)=約9億9千万円▽広告会社「メディアボックス」(同)=約2億9千万円▽調査会社「文章工学研究所」(同)=約600万円▽「日本統計事務センター」(代表・大久保浩前副理事長)=約11億9千万円。
このうち内部調査委が今後も取引の必要性を認めたのは、日本統計事務センターが請け負っている検定の採点・受け付け業務(約9億3千万円)のみだった。残りの約15億4600万円については、別の企業に安価で再委託して利ざやを得るなど不適切な取引があると指摘した。
また調査委は、メディアボックスと文章工学研究所には社員がほとんどおらず、経営実体がないと判断。そのうえで、3社への委託については「必要性がなく、解消すべきだ」と協会に提言した。
協会関係者は「委託した仕事を、実際には協会職員がこなすケースも多い。業務委託を装って、前理事長父子経営の身内企業に収益を付け替えていた疑いもある」と指摘する。
調査委はまた、大久保前理事長の長男である浩・前副理事長が、06年4月から適用された国の新たな公益法人会計基準に反して、4社との06、07年度の取引を決算書から除外していたことも確認した。
前副理事長は「記載の必要はない」と指示。これを受け、協会は取引金額や内容を削った決算書を作成し、理事会や文科省に報告。07年度も同様の決算書を作成したという。
協会関係者は「取引を理事会に報告すれば、解消を求められるとおそれたのではないか。意図的に決算書に記載せず、隠した可能性もある」と指摘する。(4/18 朝日新聞)

>大久保前理事長や長男の浩・前副理事長(45)とその家族計5人が、4社から08年度までの3年間に、5億2985万円の報酬を得ていたことが、関係者の証言でわかった。
4社の売上高は、8割以上が協会との取引によるもので、92年度からの総額は約250億円にのぼる。
協会が設置した弁護士らによる調査委員会は、「協会に保存されるべき資産が不当に外部に流出した」などと指摘。京都地検はこうした取引の一部が協会に損害を与え、4社を通じて前理事長側に利益が流れた疑いがあるとみて、背任容疑での立件を視野に捜査を進めている。
関係者によると、大久保前理事長は代表を務める出版会社「オーク」から年間で給与4800万円、賞与800万円の計5600万円を受給。
広告会社「メディアボックス」からも1200万~1500万円を支給されていた。2社からの報酬額は06~08年度で年6800万~7100万円で、合計額は2億700万円だった。
また、浩前副理事長は、代表の情報処理会社「日本統計事務センター」から給与と賞与で2025万~2400万円を受け取っていた。専務取締役を務めるオークから年2560万円、メディアボックスからも840万~1050万円。3社から年5425万~6010万円を得ていた。
ほかに、4社の役員などを務める家族3人も年3980万~7110万円の報酬を支給されていた。
4社に対し、協会は財団法人化された92年度以降、業務委託料などとして約250億円を支払っていた。
調査委員会が協会に提出した報告書は、4社との取引の一部について、「合理性が認められない」などと指摘。大久保前理事長と浩前副理事長が、公認会計士が決算報告書に記述した4社との取引についての記載を削除し、理事会などに報告せずに取引を続けたことを批判、「重大な任務違背というべきであって、責任は重い」としている。
協会は「取引は合理性があった」と反論している。
大久保前理事長は15日に文部科学省で行われた記者会見で背任行為の認識について問われ、「そのような認識はない」と答えた。(4/17 読売新聞)

>捜査当局が大久保 昇前理事長らの刑事責任の追及を検討していることがわかった。
15日、大久保前理事長は「大変、申し訳ございませんでした。おわび申し上げます」と謝罪した。
大久保 昇前理事長と長男の浩前副理事長は、15日の会見で辞任を表明したが、漢検協会では、2年で15億円という公益事業では認められていない多額の利益を上げていた。
また、大久保親子や親族が役員を務める関連企業4社に、総額250億円という業務委託料を払っていて、不明瞭な取引が指摘されている。
こうした問題について、捜査当局は、背任にあたる疑いもあるとみて、大久保前理事長らの刑事責任の追及を検討していることがわかった。
漢検協会では、改善策の中で、関連企業4社のうち、2社については取引を解消するとしている。(4/16 関西テレビ)

>日本漢字能力検定協会が不動産取得や新規事業開発のための引当金として積み立てた特定資産が今年3月末現在で依然約40億9250万円にのぼり、うち20億円で、大久保昇理事長が代表を務めるオークが所有する本部ビルを5年以内に買い取る計画を立てていることが、15日に文部科学省に提出された改善報告書で明らかになった。
大久保理事長らは辞任を表明したが、相変わらずの私物化に批判が集まりそうだ。
本部ビルについて、協会は現在、同社から年約1億8000万円の賃料で借り受けており、実質上、購入でさらに巨額の資金がファミリー企業に流れ込むことになる。一方、協会職員の中には勤務実態がないのに給与を受け取っていたり、大久保理事長らのファミリー企業の業務を兼務しているケースがあったことも判明した。
報告書によると、協会の特定資産のうち、建設資金は3月末で約30億3200万円、新規事業開発資金は約10億6050万円。協会は、うち20億円でオーク所有の本部ビルを平成25年度末までに取得することや、資金のめどがついた時点で本部ビルと同規模の物件を取得することなどを盛り込んでいる。
一方、協会の内部資料によると、同社など大久保理事長や長男の浩副理事長が代表を務めるファミリー企業4社との取引総額は約250億8800万円にのぼっており、協会が設置した調査委員会は「法律上許容されていない取引を行ってきた」「協会に保存されるべき資産が外部に流出した」と指摘。2人による独断的な運営体制を批判し「重大な任務違背」があったとして、背任罪に当たる可能性も示唆している。
このほか調査委は、協会の正職員とされた1人が、何ら勤務実体がないにもかかわらず給与を受け取っていたことや、複数の協会職員が、オークなどファミリー企業2社の経理業務も兼務していたことなどを指摘。協会とファミリー企業の双方から給与を受け取っていた職員もいたという。(4/15 産経新聞)

>「日本統計事務センター」が、協会が著作権をもつ検定問題のデータをゲームソフト会社2社に提供し、ライセンス料の9割超を占める約6900万円を2年で得ていたことがわかった。協会には約700万円しか納めていなかった。
弁護士らでつくる内部調査委員会は「ライセンス料の配分割合が適切でない」と指摘している。
協会関係者によると、センターがライセンス料を得ていたのは、任天堂のゲーム機「ニンテンドーDS」と「Wii」向けの漢字ゲームソフト。
センターがソフト会社2社とライセンス使用契約を結び、協会の検定試験の過去問題や書籍教材などのデータを提供。DS向けソフトは06年9月から、Wii向けが07年12月から販売された。
民間調査会社エンターブレインの調査では、2社は計7本のソフトをこれまでに製作。いずれも「漢検協会公認」「公式ソフト」として販売され、累計販売数は約192万本に上るという。
内部調査委の報告書によると、ソフトの売り上げに応じて入るライセンス料は、ソフト会社からセンターに支払われ、うち1社は9割、残る1社は全額をセンターが確保。センターは協会に対し、1社分の1割のみを支払う契約を結んでいた。
2社からのライセンス料は、06年10月~08年9月で計約7600万円に達するが、うちセンターが約6900万円を受け取り、協会に渡ったのは約700万円だったという。協会関係者は「協会とセンターの利益配分が適正でない。そもそも、協会がソフト会社とライセンス使用契約を直接結ぶべきだ」と指摘する。 (4/15 朝日新聞)

>日本漢字能力検定協会が大久保昇理事長(73)らの関連4社に多額の業務を委託している問題で、4社への委託当初からの総額が約250億円に上ることがわかった。
92年度以降の取引当初からの関連企業との総額が明らかになるのは初めて。
取引の中には、協会が設置した調査委員会が「合理性はない」などと指摘したものもあるが、協会は10日の理事会で、すべての取引を一括して事後承認を求め、認められた。
協会の内部資料によると、4企業との08年度までの取引額は
▽オーク 114億円(92年度~)
▽メディアボックス 36億円(97年度~)
▽文章工学研究所 約6300万円(98年度~)
▽日本統計事務センター 99億円(95年度~)
協会は10日の理事会で、取引内容と額を記した議案書を読み上げた。
協会は09年度に取引を打ち切るメディアボックスと文章工学研究所についても、「これまでの取引は合理性があった」などと説明。
協会関係者の一人は、「理事長らが過去の取引を正当化するのが狙いではないか」と話している。(4/12 読売新聞)

>元国連事務次長の明石康理事も8日、辞任届を協会に提出した。
協会の実務は大久保父子が取り仕切っており、他の理事6人は「名誉職」に近い存在だったという。
明石氏の事務所は辞任の理由について「理事会などに出席できておらず、責任を果たせないため」としている。(4/10 朝日新聞)

>協会が取引解消を決めたのは広告会社「メディアボックス」と調査会社「文章工学研究所」。
協会はメ社に広告企画や機関誌制作の委託費として06~08年度に約8億円を支出していたが、実際には他社に業務を再委託しており利益を吸い上げるためのトンネル会社の疑いが浮上していた。同研究所には同期間に調査委託費として1500万円を支出していたが、何の研究成果も示されておらず、共に文科省から取引解消を含めた抜本的な対応を取るよう指導されていた。
また、03年7月に「漢字資料館にする」(協会)ため、約6億7000万円で購入したままほとんど利用されていなかった邸宅については、手放すことを決定。今後、売却先を探すという。加えて、同市右京区の寺院にある理事長一族の墓所内に約350万円で建立した協会の供養塔については、文科省の指導に従い、全額弁償する。
一方で、大久保理事長の進退については決まっておらず、長男の大久保浩副理事長と合わせて退任を求める声の強い理事会や評議員会からの反発が予想される。(4/5 毎日新聞)